歴史薫る山形県酒田散歩|山居倉庫・日和山公園で感じる港町の風情
- 旅 TIME
- 2022年12月23日
- 読了時間: 5分
更新日:5月26日
歴史香る港町を歩く旅|山形県酒田・山居倉庫さんぽ
【酒田散歩】
山形県の日本海側に位置する酒田市。江戸時代には北前船の寄港地として繁栄した、歴史と文化の香る港町です。そんな酒田のシンボルとも言えるのが、「山居倉庫(さんきょそうこ)」。映画やCM、NHK連続テレビ小説『おしん』のロケ地としても知られ、訪れた人々の心をそっと揺さぶる、風情あるスポットです。
山居倉庫ってどんなところ?
山居倉庫は、明治26年(1893年)に旧庄内藩主・酒井家の命により建てられた米の保管倉庫です。最上川と新井田川に囲まれた「山居島(さんきょじま)」に立地し、港町・酒田の米取引の中心として長く活躍してきました。
14棟あった倉庫のうち、現存する12棟は今も現役の米穀倉庫として活用されているのも驚き。高温多湿な日本の気候に対応するため、通気性を考慮した独自の空調管理が施され、屋根の構造や倉庫内部の設計にも精巧な工夫がなされています。
倉庫の裏手に並ぶケヤキ並木は、その美しさから四季折々の景観が楽しめ、フォトスポットとしても人気。秋の紅葉、冬の雪景色、春の芽吹き……何度訪れても違う表情を見せてくれます。
米どころ庄内の誇り「山居米」
山居倉庫では、厳選された庄内米が出荷の前に保管され、「山居米」というブランドで中央市場からも高い評価を得てきました。米の選別基準が非常に厳しく、その品質の高さは全国でもトップクラス。倉庫が“生きた博物館”とも呼ばれる所以です。
庄内米歴史資料館と観光物産館
山居倉庫の一角には、観光客向けの施設も整っています。
◆ 庄内米歴史資料館
米づくりや流通の歴史、当時の農具や帳簿類などが展示されており、庄内地方と米の深いつながりを学ぶことができます。入館料は大人300円と手頃。時間があればぜひ立ち寄ってほしいスポットです。
◆ 酒田夢の倶楽
こちらは地元のお土産や特産品が揃う観光物産館。おいしい地酒やお米を使ったお菓子などがずらりと並び、見ているだけでも楽しい空間です。季節のイベントや展示販売も行われていて、旅の思い出にぴったりな一品がきっと見つかります。
夜はライトアップも楽しめる
山居倉庫は日没から夜10時までライトアップされ、幻想的な姿を楽しむことができます。特に夏の夕暮れや雪の夜などは、まるでタイムスリップしたかのような光景が広がります。カメラを手に、ぜひ夜の散策もお楽しみください。
アクセス情報
所在地: 山形県酒田市山居町1-1-20
JR酒田駅から車で約5分(市営るんるんバス「山居倉庫前」下車すぐ)
日本海東北自動車道・酒田ICより車で約15分
倉庫の外観は常時見学可能。夜間はライトアップも実施。
◆ 庄内米歴史資料館
開館時間:9:00~17:00(12月は~16:30)
休館日:12月29日~2月末日
入館料:大人300円、中高生200円、小学生150円(団体割引あり)
◆ 酒田夢の倶楽
開館時間:9:00~17:00(冬期は16:30まで)
休館日:1月1日
入館料:無料

四季の彩りと歴史の風情を感じる|酒田・日和山公園さんぽ
山形県酒田市、日本海に面したこの町に、夕陽と桜の名所として親しまれているスポットがあります。それが「日和山公園(ひよりやまこうえん)」。港町・酒田の歴史を見守り続けてきた小高い丘の上にあり、四季折々の風景とともに、歴史に触れられる散策スポットとして多くの人に愛されています。
日本海に沈む夕陽の絶景
日和山公園の大きな魅力の一つは、何と言っても日本海に沈む夕陽。晴れた日には、オレンジ色に染まる空と水平線に沈む太陽が、まるで映画のワンシーンのような感動的な風景を描きます。
この夕陽を目当てに訪れる観光客も多く、カップルやカメラマンに人気のビュースポットとなっています。
春は桜の名所として賑わう
日和山公園は、春になると約400本の桜が咲き誇る桜の名所。ソメイヨシノを中心に園内を淡いピンク色が彩り、桜のアーチの下を散策するのは春だけの特別な体験です。
毎年4月には「酒田日和山桜まつり」が開催され、夜にはボンボリによるライトアップも実施。昼とはまた違う幻想的な雰囲気を味わうことができます。
園内の見どころスポットも充実
日和山公園はただの景勝地ではなく、歴史ある建築や記念碑が点在する歴史散策スポットでもあります。
木造六角灯台(明治期の洋風建築)
芭蕉の句碑(松尾芭蕉が奥の細道で酒田を訪れた記念碑)
河村瑞賢の記念像(江戸時代に西廻り航路を整備し酒田の発展に貢献した人物)
大正時代の洋館建築の医院跡
など、歴史好きにも見逃せないポイントが詰まっています。
アクセス・利用情報
所在地:山形県酒田市南新町一丁目
アクセス:
JR酒田駅から市営るんるんバスで約5分「日和山公園」下車すぐ(または「寿町」下車、徒歩5分)
日本海東北自動車道・酒田ICから車で約15分
開園時間:常時開放(夜間のライトアップ時も自由に鑑賞可能)
入園料:無料
おわりに|歴史と自然が調和する、心癒される時間
日和山公園は、四季を感じながら歴史と向き合える、心の安らぐ港町のオアシス。日本海に沈む夕日、春の桜並木、歴史の足跡が残る園内をゆっくり歩けば、きっと時間を忘れてしまうことでしょう。
酒田を訪れる際は、ぜひ足を運んでみてください。
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